
首相が毎週入れ替わる制度の導入から半年。
ついに支持率が「計測不能」と判定される事態となった。
世論調査会社が悲鳴を上げている。
21日午前10時、蒼波県霞森市にある内政広報庁は、最新の首相支持率データについて「統計上、有効な数値を算出できない」と発表した。理由は単純だ。任期が7日間では、調査が完了する前に次の首相が誕生してしまうのである。
制度導入以降、首相はすでに累計28人目。平均在任日数は6.8日。最短記録は就任から42時間での交代だったという。霞森統計センターによると、電話調査の回収率が安定するまで通常4日を要するため、「支持率を聞いた翌日に退任しているケースが頻発している」とのことだ。
さらに混乱を招いたのが“就任直後ブースト現象”である。初日の支持率は概ね65%前後と高水準だが、3日目以降は急落する傾向がある。しかし7日目を迎える前に任期終了となるため、下落の原因分析が不可能になっている。
霞森中央署によると、発表当日には「今週の首相は誰なのか分からない」との問い合わせが市民から73件寄せられた。役所窓口では、週替わり首相ポスターの貼り替え作業が追いつかず、一部庁舎では先々週の首相が掲示されたままだったという。
市は再発防止策を検討しているとし、「支持率速報を48時間以内に出す超短期調査方式の導入を協議中」と説明している。ただし、専門家は懸念を示している。政治制度研究所の真柴主任研究員は「支持率が任期の半分以上を占める状態では、本来の政策評価ができない。世論が“今週の顔”を楽しむだけの制度になりかねない」と指摘する。
霞森市内の会社員(41)は「正直、覚えきれない。今朝ニュースで名前を聞いたが、もう週末だ」と苦笑い。一方、商店街の店主(58)は「毎週景気対策を発表してくれるのは助かるが、どれも来週には無効になるのが難点だ」と語った。
来週月曜には29人目が就任予定だ。支持率が出る前に交代するかどうか、調査会社も静かに見守っている。政治とはスピードなのか、それとも持続なのか。少なくとも統計は追いついていないようである。
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