火星移住本格始動から2年 地球帰還希望者が急増、窓口パンク状態に

宇宙港ターミナルで帰還手続きを待つ宇宙服姿の人々と地球を望む大窓の様子
地球帰還手続きのため列を作る火星移住者たち(天ヶ浜宇宙港)

火星移住計画が本格始動して2年。新天地での生活が定着する一方、「やはり地球に戻りたい」とする帰還希望者が急増している。
各地の帰還申請窓口は予約3カ月待ちの異例事態となっている。

南関東州天ヶ浜市の宇宙渡航支援センターで、22日午前9時ごろ、火星から一時帰還した市民ら約120人が長蛇の列をつくった。目的は「地球永住再登録申請」である。天ヶ浜宇宙港管理署によると、今年に入り帰還希望の申請件数は全国で前年比2.8倍の1万3,420件に達し、すでに受理枠の7割が埋まっているという。

火星移住は、低重力下での健康増進や新産業創出を目的に進められ、現在およそ38万人が居住している。居住区は全天候型ドームで整備され、酸素供給や人工降雨システムも完備されている。しかし、実際の生活は「赤い砂との戦い」だという声も多い。

先月帰還した30代女性は「景色は壮大だが、洗濯物が全部ピンクになる。あと、たまに重力を忘れてジャンプしすぎる」と苦笑する。別の男性は「オンライン会議で“音声が1.3秒遅れます”と言い続ける生活に疲れた」と話した。

天ヶ浜宇宙港管理署によると、帰還希望理由の上位は「地球の海が見たい」「本物の雨に打たれたい」「宅配が遅い」の順だった。なお、無許可で帰還船に乗り込もうとした事案も3件確認されているという。

市は再発防止策を検討しているとし、火星在住者向けに「地球体験VR強化月間」を開始した。一方、宇宙社会政策研究所の専門家は懸念を示している。「移住は人生設計の一部だが、想像以上に“青い空ロス”が心理に影響している」と分析する。

帰還希望者の増加により、地球側の住民登録課も対応に追われている。住民の一人は「隣人が急に“元火星民”になるのは時代を感じる」と語る。

火星は遠いが、郷愁は近いようだ。とはいえ、この世界では惑星間引っ越しも手続き次第である。窓口の整理券番号は、今日も静かに進んでいる。

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