AR選挙ポスター普及で「視認性ゼロ問題」深刻化 裸眼では候補者が見えないと苦情相次ぐ

白い掲示板の前で困惑する市民とAR選挙ポスター用掲示板の様子
裸眼では白紙にしか見えないAR選挙ポスター掲示板(空葉市)

選挙ポスターの完全AR化が当たり前となって3年。
便利になったはずの掲示板で今、「何も見えない」という苦情が急増している。

西霞川県空葉市緑町で14日午後6時ごろ、市議会議員選挙の掲示板前に市民が集まり、一時騒然となった。原因は「候補者が誰も見えない」という通報だった。空葉北署によると、現場ではポスター枠42枚分がすべて最新型AR方式で表示されており、裸眼では白いボードしか確認できなかったという。今月に入り、同様の「視認性ゼロ」通報は市内で67件に上っている。

現在主流となっているARポスターは、専用アプリやスマートグラスを通して候補者の映像や公約動画が表示される仕組みだ。動く、しゃべる、握手までしてくれる高機能仕様で、制作費は従来型の約2.3倍。空葉市選挙管理監視庁は「情報量が多く、若年層の投票率向上に寄与している」と説明する。

しかし問題は、機器を持たない有権者の存在である。70代の男性は「掲示板の前に立ったら真っ白だった。選挙って心眼で見るものだったか」と困惑する。さらに、アプリのアップデート不具合により候補者が逆さまに表示されたり、全員同じ顔になる不具合も報告されている。

空葉北署によると、掲示板前で「見えない」と怒号が飛び交い、軽い口論に発展した事案も4件確認されている。被害額は発生していないが、精神的ダメージは計測不能とのことだ。

市は再発防止策を検討しているとしており、「最低限、静止画像の輪郭線を表示する“うっすらモード”の導入を協議中」と明かす。一方、都市選挙制度研究所の専門家は懸念を示している。「民主主義は“誰でも見える”ことが前提だ。機器依存が進めば、情報格差が投票行動に直結する」と指摘する。

便利になったはずの掲示板が、見る人を選ぶ時代である。選挙とは何かと考えさせられるが、とりあえず今はアプリのダウンロードから始めるのが常識らしい。

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