税率は毎秒更新!? 「リアルタイム税率社会」でレジが止まる日々、市民と店員の静かな絶叫

デジタル表示の税率が次々と変わるスーパーのレジ前で、困惑する客と店員の様子
リアルタイムで変動する税率表示に戸惑うスーパーのレジ風景

あらゆる物の価格が“今この瞬間”の税率で決まる世界。
それが当たり前になった結果、いま市民と店員が同時にフリーズしている。

この世界では、税率は固定ではない。気温、湿度、混雑度、SNSの感情指数、さらには「なんとなく景気っぽい空気」までをAIが解析し、商品ごとに税率を毎日、いや毎秒更新する仕組みだ。

パンの税率は朝7時に5%、昼には13%、夕方の“空腹ピークタイム”には19%へ。編集部調べによると、同じ食パンを手にレジに並んでいる間に3回価格が変わったケースもあるという。

背景には「税の公平性を究極まで追求する」という壮大な理念があるらしい。需要が高まれば税率も上がり、逆に人気がなければ税率は下がる。理屈としてはわからなくもないが、買い物中に税率グラフを確認する生活が本当に合理的かは、正直よくわからない。

現在発生している社会問題は、主に“理解不能”。市民の約62%が「自分がいくら払ったのか説明できない」と回答している(編集部調べ)。

市内在住の会社員はこう話す。
「昨日はコーヒーが軽減税率対象で安かったのに、今日は“覚醒促進嗜好品”扱いで倍でした。眠気にも税金かかるんですかね」

店舗側も混乱している。あるスーパーの店員はレジ横で深いため息をついた。
「レジは自動計算ですが、お客さんに“なんで今この税率なんですか”と聞かれても、我々も理由コードが英数字で出るだけなので…RZ-17って何なんでしょうね」

行政も対策に乗り出している。先月から導入されたのが「税率落ち着き待ちスペース」だ。商品を一時保管し、税率が安定するまで座って待てる公共ベンチである。ただし、待っている間に保管税が発生する可能性があるため油断はできない。

さらに「1日1回だけ税率固定券」が配布されるようになったが、使用タイミングを誤ると、うっかりミントタブレットに使ってしまう悲劇も報告されている。

税務相談窓口の担当者も困惑気味だ。
「お問い合わせは増えていますが、“なぜ昨日より2%上がったのか”という質問に対し、我々も“市場心理が…”としか答えられないのが現状です」

それでも、この仕組みは“高度でスマートな社会”の象徴とされている。税率が常に動いているのだから、きっとどこかで誰かは納得しているのだろう。たぶん。

今日もレジ前では、人々が画面を見つめながら静かに価格更新を待っている。

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