空飛ぶ自転車解禁から半年 違法高度走行が急増、取り締まり追いつかず

住宅街上空約150メートルを飛行する空飛ぶ自転車と監視ドローン、地上で見上げる歩行者の様子
違法高度で飛行する空飛ぶ自転車を監視する空域管理ドローン(東魔川市)

全国で解禁された「空飛ぶ自転車」が日常の足となって半年。
その一方で、上空100メートルを超える違法高度走行が相次ぎ、各地で取り締まりが強化されている。

東青森県東魔川市桜ヶ丘で20日午前7時ごろ、通勤中の男性(34)が操縦する空飛ぶ自転車が高度制限を大幅に超え、約180メートル上空を走行していたとして東魔川中央署に指導された。中央署によると、今年1月の解禁以降、同様の違法高度走行は県内だけで428件にのぼり、うち17件はビル屋上への不時着を伴う事案だったという。

空飛ぶ自転車は、地上30メートル以下の走行が原則だ。住宅地では20メートル以下と細かく定められている。しかし解禁から半年が経過し、「見晴らしがいいから」「渋滞を避けたかった」といった理由で高度を上げる利用者が増加している。

市消防局によると、4月以降、違法高度走行に起因する落下物事故は12件発生。先月には洗濯物干し場に着陸しようとした利用者が物干し竿をなぎ倒す被害もあり、被害総額は約280万円に上る。住民の一人は「上からベルの音がして驚いた。空にも自転車レーンがあると思っていた」と困惑する。

東魔川市役所空域管理課は、今月から「高度監視ドローン」を導入し、違反者には最大3万円の反則金を科す方針だという。市は再発防止策を検討しているとしているが、担当者は「想定より皆さんが高みを目指してしまった」と苦笑いする。

一方、都市交通研究センターの専門家は懸念を示している。「高度を上げれば上げるほど風の影響を受けやすい。初心者が多い現状では事故リスクが高い」と指摘する。

通勤時間帯の空は、もはや“第二の道路”である。とはいえ、信号も標識もまだ地上基準のままだ。空を見上げながら歩く日常が普通になったとはいえ、頭上から自転車が降ってくる光景は、できれば見たくないものである。

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